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ケーススタディ

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株式会社岩谷技研

ケーススタディ

気球で宇宙遊覧

株式会社岩谷技研様

高高度ガス気球と宇宙関連技術の開発を行う岩谷技研様は、世界初(同社調べ)となる気球での「宇宙遊覧フライト」の商用化を目指す有人宇宙領域のパイオニアです。宇宙遊覧の定着を掲げる同社は、「宇宙を見て地球を眺めたい」という夢をもつ多くの人を、“宇宙の入口”とも呼ばれる成層圏までお連れするための様々な技術を開発しています。そうした新たな技術により、人類が“まだ見ぬ未来“を創りあげる会社です。2025年6月現在、北海道江別市に本社・研究所を構え、従業員数は82名(役員を除く)。

宇宙遊覧への挑戦

宇宙遊覧フライトとは

岩谷技研様が提供する「宇宙遊覧フライト」は、同社が開発した高高度ガス気球に吊り下げられた“キャビン”という乗り物に搭乗し、成層圏内の最高到達高度18,000~25,000mへと飛行するという、これまでにない特別なサービスです。この高度帯に達すると、船内から青く輝く地球の輪郭越しに背後に広がる宇宙空間を眺めながら、遊覧することができます。

成層圏は、低温・低圧で、ほぼ無酸素に近い過酷な環境です。同社で製造される気球のキャビンは、そうした環境下にも耐えられるよう設計された与圧キャビンであり、生命維持装置を搭載しています。また、気球は浮力を調整する特別な機構を備え、急に上昇・降下することのないように安全に設計されています。これらの技術により、搭乗者は長期間の特別な訓練の受講や、宇宙服の着用といった必要がなく、気軽に宇宙を遊覧することができます。離陸から着陸までの飛行時間はおよそ4~6時間。そのうち1時間程度、宇宙と地球を眺める体験を提供します。現在はパイロット1名と搭乗者1名の2名乗りキャビンとなっていますが、今後大型化を見据えて研究開発をしており、より多くの人に宇宙の景色を見ていただくことを目指しています。

宇宙フライトとは
宇宙フライトとは

宇宙の民主化を目指して

同社の気球の開発のルーツは、2011年、創業者で現在同社代表取締役を務める岩谷圭介氏が大学在学中に始めた風船宇宙撮影に遡ります。卒業後の2012年には、自作した無人気球で高度33,000mから地球を撮影することに初めて成功。長らく個人の活動でしたが、2016年に株式会社岩谷技研を設立しました。

カメラを搭載した“風船”からスタートした取り組みは、様々な試行錯誤と、過去400回を超える飛行試験、そして多くの方々の支援により、より重いものを搭載できる大型の“気球”の開発へと進歩しました。2020年からは、人を乗せた宇宙遊覧の実現を目指し、本格的な研究開発が始動。数回の資金調達を行うとともに、2023年2月には、「宇宙の民主化」を掲げ、様々なパートナー企業との共創により宇宙遊覧事業の普及と発展を目指すプラットフォーム「OPEN UNIVERSE PROJECT」が始動しました。

その後、2024年7月に、商用運航で使用するものと同型機を使用した有人飛行試験で、国内初となる高度20㎞超への到達に成功。いよいよ、今年2025年にも、世界初(岩谷技研調べ)となる気球による「宇宙遊覧フライト」の商用運航が実現する予定です。

製作部品

底面Rの難形状加工

白色POM加工品のポケット形状は、深さがあるのに加えて、底面にRが付く難形状です。この箇所には倣い加工が必要であり、通常よりも加工時間がかかります。この隅Rが3以上であれば、加工時間を短縮することができるため、コストダウンの際には検討の候補となります。

A7075の加工品は、深さ60.3mm、隅R2.5のポケット形状です。機械加工時には、ビビリが発生しました。そのため、送り速度を落とす必要があり、この工程だけで数時間を要しました。R5以上に条件を緩和すると加工時間を短縮することができるので、コストダウン時の候補箇所になります。

この部品は、全面への加工が必要で、全周にC1があるため、工程および工数が多くなっています。また、ワークサイズ自体が大きいため、加工全体にも大きな負荷がかかります。

株式会社岩谷技研様製作事例
株式会社岩谷技研様製作事例

取り組みと結果

湯本電機の取り組み

湯本電機では、ただ部品を加工・納品するだけでなく、「お客様の課題をどう解決するか」という視点を大事にしています。私たちは“図面の奥にある目的”を理解し、製造現場のリアルなニーズに即した対応を心がけています。量産工場では対応が難しいような「ちょっとだけ仕様を変えたい」「この一箇所だけ違う材料にしたい」「急ぎで1個だけ欲しい」といったものづくりの現場の細かな要望に、私たちは真正面から向き合います。現場の制約や工程の中で出てくる「こうしたい!」という声に応えるのが、私たちの仕事です。

例えば、過去には急ぎの案件で、「通常1週間かかる部品を3日でなんとかしてほしい」というご依頼がありました。図面から材料手配、加工、検査、出荷までの全工程を社内でスピード連携し、無事に間に合わせることができました。単に早くつくるだけでなく、品質も両立するのが湯本電機のポリシーです。「図面通りにつくる」のは当たり前。その先にある「お客様の本当の目的」に寄り添う姿勢こそ、私たちのものづくりです。

岩谷技研様からの評価

私たちは、気球の様々な最先端技術の部品開発を進める中で、社外の技術的な支援や連携を仰がなければならない局面が多々あります。湯本電機には、そうした局面でとても協力していただいております。

湯本電機は、当社からの加工依頼に対しまして、技術的な仕様を一つひとつ丁寧に確認しながら進めていただけるため、安心してお任せできます。また、見積や注文といった事務的なやり取りがとにかく早くかつ的確なため、当社の業務効率化に多大に貢献していただいております。さらに、当社は急な設計変更に伴い、至急、加工品が必要となる場合があります。湯本電機は、そのようなときにも、驚異的なスピード感でご対応いただき、当社は停滞なく開発を進めることができました。

インタビュー企業情報

会社名:株式会社岩谷技研
本社所在地:北海道江別市大麻中町26番地12
設立:2016年4月1日
代表:岩谷 圭介
Webサイト:https://iwaya.biz/
YouTube:https://www.youtube.com/@iwaya-inc

株式会社岩谷技研様

本ページに掲載の写真は全て株式会社岩谷技研様の提供です。