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光造形方式(SLA/DLP)とは | 代表的な材質とメリット・デメリット

光造形方式(SLA/DLP)とは | 代表的な材質とメリット・デメリット

最終更新日:2026/7/10

本記事の要点

  1. 光造形方式は、液体状の光硬化性樹脂に紫外線を当てて一層ずつ硬化させる技術で、高精度かつ積層痕の目立たない滑らかな表面仕上げが可能。

  2. 主な造形方式には、点で紫外線を照射し高精細な造形が可能な「SLA方式」と、面で照射し造形速度に優れる「DLP方式」の2種類がある。

  3. 太陽光(紫外線)による劣化や強度の限界といった特性があり、造形後には未硬化樹脂の洗浄や二次硬化といった専用の後処理工程が必須。


3Dプリント造形方式の一つである光造形方式は、精度の高さと表面の滑らかさから、試作開発の現場で欠かせない技術です。

しかし、一口に光造形と言ってもSLA方式DLP方式の違いや、特有の材料特性、そして造形後の後処理など、設計者が実運用に向けて正しく把握しておくべきポイントがいくつか存在します。

本記事では、部品加工の最前線で培った知見に基づき、光造形方式の基礎原理から、代表的な材料、メリット・デメリット、実際の造形工程までを解説します。

光造形方式とは

光造形方式とは、液体状の光硬化性樹脂に紫外線レーザーを照射して硬化させ、一層ずつ積み重ねて立体物を造形する出力方式です。

積層ピッチを0.005mm〜0.15mmといった非常に細かい単位で設定できるため、高い寸法精度を誇ります。熱溶解積層(FDM)方式や粉末焼結方式と比較して積層痕が目立ちにくく、フィギュアや外装部品など、外観やデザイン性が重視される造形に多く用いられます。

光造形方式には、紫外線の照射方法によって主にSLA方式DLP方式の2種類が存在します。

SLA方式 (Stereo Lithography Apparatus)

SLA方式は、紫外線の光を「点」で照射しながら一筆書きのように樹脂を硬化させていく方式です。レーザーで細かく精密に硬化させることができるため、非常に高精度な造形が可能であり、微細な形状が求められるデザイン試作や模型などに適しています。

一方で、点を移動させて造形を進める仕組み上、造形に時間がかかる傾向があります。

DLP方式 (Digital Light Processing)

DLP方式は、プロジェクターのように紫外線を「面」で一括照射し、層ごとに硬化させていく方式です。

一層あたりの照射範囲が広いため、SLA方式と比較して造形時間を大幅に短縮できるのが最大のメリットです。ただし、微細な曲面などの細かな精度表現においてはSLA方式に一歩譲る場合があり、全体的な形状確認をスピーディに行いたい試作に適しています。

光造形方式での代表的な材質

光造形方式では、液体の光硬化性樹脂を使用します。皮膚に付着するとアレルギーや肌荒れを引き起こす可能性があるため、取り扱いには手袋の着用など適切な管理が求められます。 代表的な材質として、以下の2種類が挙げられます。

エポキシ樹脂

光造形方式で最も一般的に使用される樹脂です。種類によっては後加工(磨き・クリアコートなど)を施すことで透明処理が可能です。一定の耐熱性を持つためABSの代替材として形状試作に用いられますが、最終製品の強度には達しないため、機能検証よりも形状確認に適しています。

アクリル樹脂

高い透明度が特徴で、レンズなどの光学系部品の試作にも用いられます。硬化速度が速く、材料コストも比較的安価であるため、造形コストを抑えやすいという利点があります。ただし、強度が低く表面に傷がつきやすい点には注意が必要です。

光造形方式のメリットとデメリット

設計に光造形方式を採用する際は、その特性による長所と短所を正しく把握しておく必要があります。

光造形方式のメリット

精度の高さと滑らかな表面
液体樹脂を硬化させるため、熱による材料の膨張・収縮が起こりにくく、高い寸法精度で造形できます。積層痕が目立ちにくく表面が滑らかに仕上がるため、精密部品の試作に最適です。

透明な造形物の製作が可能
アクリルや透明なエポキシ樹脂を用いることで、内部構造の確認用モデルや、クリアパーツの試作が可能です。造形後にヤスリがけやコーティングを行うことで、さらに高い透明度を実現できます。

光造形方式のデメリット

紫外線に弱く、強度が低め
光硬化性樹脂の特性上、造形後も日光や紫外線に当たると劣化や変色、脆化が進行します。そのため、屋外での使用や長期間の耐久性が求められる用途には不向きです。また、樹脂自体の分子量が低く、他の造形方式に比べると強度が劣ります。

専用の後処理に手間と時間がかかる
造形が終われば完成となるFDM方式などとは異なり、光造形方式では未硬化樹脂の洗浄や、完全硬化させるための二次硬化といった専用の後処理工程が必須となります。

光造形方式の造形工程と後処理の流れ

光造形方式は、造形そのものだけでなく、造形後の処理が品質を大きく左右します。以下が具体的な造形から完成までのプロセスです。

1. スライサーデータの用意と造形準備

3Dデータ(STL等)を専用のスライサーソフトに読み込み、サポート材の配置や造形方向を設定します。本体のレジンタンク内に残留物がないか確認し、造形を開始します。

2. 造形スタート

多くの場合、プラットフォーム(造形テーブル)が上から液状樹脂の入ったタンクに降り、一層ごとに紫外線を照射して硬化させながら、プラットフォームが徐々に引き上げられる(逆さまの)状態で造形が進みます。

3. アルコール洗浄

造形完了後、部品の表面にはドロドロとした未硬化のレジンが付着しています。これをIPA(イソプロピルアルコール)やエタノールなどの溶剤に浸け、撹拌機などを利用してしっかり洗浄します。

4. 二次硬化(UV照射と加熱)

洗浄後、造形物内部の半硬化状態の層を完全に結合させ、本来の強度を引き出すために二次硬化を行います。専用の機械で60℃〜80℃の熱を加えながら、数十分から数時間ほど紫外線を照射します。

3. サポート材の除去と仕上げ

二次硬化後、宙に浮いた形状を支えていたサポート材を除去します。サポート材は造形物と同じ材質で硬化しているため、ニッパーなどの工具を使用して取り除き、残ったバリや除去痕をヤスリがけして滑らかに仕上げます。


光造形方式3Dプリントのご相談はユモパーツにお任せください

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光造形方式

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、アルミ・樹脂から難削材まで200種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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