ステンレス切削加工依頼のための基礎知識
2025/12/22
ステンレス鋼の特徴
ステンレス鋼は鉄にクロムやニッケルを加えた合金鋼です。その最大の特徴は、錆びにくさ(耐食性)にあります。鉄に10.5%以上のクロムを含有させることで、表面に強力な不動態皮膜を形成し、内部を腐食から保護しています。この皮膜は非常に薄く、わずか数ナノメートル程度の厚さしかありません。しかし、外部からの刺激によって損傷を受けても、クロムが大気中の酸素を反応して皮膜が再生します。
組織構造や添加金属の種類や量によってステンレス鋼の種類は分類されます。種類が豊富であるため、広い範囲で最適な材質を選択することができます。
優れた耐食性
高強度
電気と熱の伝導率が低い
加工硬化が起こることがある
水素の影響を受ける
難削材
ステンレス鋼の種類
ステンレス鋼は、製造時の添加金属の割合と熱処理の温度によって結晶構造・性質が変化します。ステンレス鋼材の種類は非常に多く、部品や建築材、日用品など広い範囲で利用することができます。
マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS403,SUS410,SUS416,SUS420,SUS440)
フェライト系ステンレス鋼(SUS430,SUS444)
オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(SUS329J1,SUS329J3L)
析出硬化系ステンレス鋼(SUS630,SUS631,SUS660)
材質選定上の注意点
ステンレス鋼は、鋼材内に水素が侵入し、反応することによる脆化が顕著な材質です。これにより強度が大きく低下します。フェライト系ステンレス鋼は水素脆化が起こりやすい傾向にあります。また、熱伝導率の低さが起因して、切削工具の摩耗が激しく、加工硬化が起こることもあることから、難削材に分類されます。アルミニウム合金や真鍮などの切削加工しやすい材質と比べると加工費は高めです。
水素による脆化が起こる
難削材
まとめ
ステンレス鋼は耐食性と強度が高い金属材質です。結晶構造や添加金属によって種類は多岐にわたり、最適な場面が異なります。加工の難易度は比較的高い難削材に分類され、アルミニウム合金などの比較すると、同じ形状での加工費は高くなる傾向があります。
湯本電機では、切削加工や3Dプリントによるステンレス加工サービスを提供しています。機械・装置部品の試作や本製作を1個から承ります。短納期で高品質の部品調達は、当社にお任せください。


