追加工とは?追加工のメリットと新規製作との使い分け目安
最終更新日:2026/9/2
本記事の要点
追加工とは、既製品や既存部品に後から必要な加工を施す方法であり、仕様変更や部品の修正・改造にも活用できる。
穴あけやねじ加工、切断、溝加工、外形加工など、目的に応じて必要な部分だけを加工することで、コストや納期の削減につなげられる。
追加工では加工による変形、表面処理などに注意し、既存部品を活用するか一から製作するかを条件に応じて判断することが重要である。
メーカー標準品の部品はカタログでスペックが分かり、すぐに調達手配ができ、とても便利です。コスト面でも納期面でも、標準品で済む箇所は標準部品を採用するほうが効率的です。しかし、製品開発において、標準部品では解決しないこともあります。
「少しだけサイズが合わない」
「ここにもう一つ穴が空いていれば・・・」
など、もう一歩のところで意外とかゆいところに手が届かないことがあります。このような場合に一から必要な部品を設計するのではなく、標準部品をベースに必要な加工を施す追加工(二次加工)が有効です。この記事では追加工のメリットと注意点について切削加工会社から見た視点で解説します。
追加工とは
追加工とは、既製品や規格品、すでに製作された部品などに対して、後から必要な加工を施すことです。既製品に取付穴やねじを追加したり、干渉する部分を削ったり、寸法を調整したりする加工が挙げられます。新しい部品を一から製作する場合だけでなく、設計変更や組立時の不具合への対応、既存部品の流用・改造などにも用いられます。必要な箇所だけを加工することで、部品を作り直すことなく仕様を変更できる点が特徴です。
追加工は、既製品を装置や製品の仕様に合わせるための手段だけでなく、既存部品を活かしながら修正・改造するための加工方法としても活用されています。
追加工のメリット
追加工では既製品や規格品をベースに必要な部分だけを加工することで、部品を一から製作する場合にはないメリット(納期の短縮など)が得られます。特に、少量生産や試作、短納期で部品を用意したい場合に有効です。
製作コストを抑えやすい
既製品や規格材をベースにすることで、材料の切り出しや外形加工など、一から部品を製作する際に必要となる工程を減らせます。加工する箇所を必要最小限にできれば、加工時間や材料費を抑えることができます。特に、穴やねじ、溝などの一部だけを変更したい場合は、追加工によるコスト削減効果が期待できます。
納期を短縮しやすい
在庫されている既製品や入手性の高い規格材をベースにすれば、材料の製作や調達にかかる時間を短縮できる場合があります。必要な部分だけを追加工するため、部品全体を加工するよりも工程を少なくできる点もメリットです。試作品や急ぎで必要な部品など、短納期が求められる場面で活用しやすい方法です。
少量生産や試作に適している
数個程度しか使用しない部品の場合、一から専用部品を製作すると、加工費が割高になることがあります。既製品をベースに追加工すれば、標準品の形状や機能を活用しながら必要な部分だけを変更できます。
既存部品を活用して修正できる
すでに製作した部品や既存設備の部品に対して、必要な箇所だけを加工して仕様変更や不具合の修正を行うことができます。例えば、組立時に干渉が判明した場合に該当箇所を削ったり、設計変更によって穴やねじを追加したりすることもできます。部品を作り直す必要がないため、廃棄や再製作にかかるコスト・納期を抑えることができます。
既製品を活用して設計の自由度を高められる
既製品をそのまま使用するのではなく、追加工によって製品や装置に合わせた仕様へ変更できます。例えば、取付穴の位置を変更したり、干渉する部分を削ったり、ねじや溝を追加したりすることが可能です。既製品の入手性や標準化のメリットを活かしながら、装置固有の要求にも対応できます。
追加工でできる代表的な加工
追加工では、既存部品に対して穴やねじを追加したり、不要な部分を削ったりするなど、さまざまな加工が行えます。加工内容は部品の材質や形状、必要な精度によって異なります。ここでは、追加工でよく用いられる代表的な加工を紹介します。
追加工の種類 | 加工内容 | 主な用途・目的 |
|---|---|---|
穴あけ加工 | 既存部品に穴を追加したり、穴径を変更したりする。ザグリ加工にも対応できる。 | ボルト固定、位置決め、配線・配管の通し穴など |
ねじ加工 | タップ穴やねじ部を追加する。既存の穴をねじ穴に変更することもある。 | 部品の固定、取付方法の変更など |
切断・寸法調整 | プレートや丸棒、パイプなどを切断し、必要な寸法に仕上げる。 | 部品の長さ調整、既製品のサイズ変更など |
溝・段加工 | 表面に溝を追加したり、一部を削って段差を設けたりする。 | Oリング溝、キー溝、位置決めなど |
外形加工・部分切削 | 部品の一部を削り、外形や形状の変更、調整をする。 | 干渉回避、軽量化、既存部品の流用など |
面取り・角部加工 | 部品のエッジや角部を削って形状を整える。 | 干渉防止、安全性の向上など |
追加工の注意点
追加工は、既存の部品や材料を活用できる一方、加工対象がすでに完成していることで、通常の部品加工とは異なる注意点があります。
加工による変形
薄板や薄肉部品などは、追加工時の切削抵抗や熱の影響によって変形することがあります。特に、もともとの肉厚が小さい部品に大きな穴を開けたり、広い範囲を切削したりする場合は注意が必要です。加工後の強度や寸法精度にも影響するため、加工によって残る肉厚や部品の剛性を事前に確認しておく必要があります。
表面処理の状態
アルマイト、めっき、塗装などの表面処理が施された部品を追加工すると、加工した部分だけ表面処理がなくなります。外観だけでなく、耐食性や絶縁性などの機能にも影響する場合があります。そのため、表面処理前に追加工するのか、処理済みの部品を追加工するのかを事前に決めておくことが重要です。必要に応じて、追加工後に部分的な再処理を検討します。
既存部品の状態
既に使用されている部品を追加工する場合は、傷や摩耗、変形、汚れなどの状態も確認する必要があります。図面上は追加工が可能でも、実際の部品の状態によっては加工が難しい場合があります。また、使用中の部品を取り外して加工する場合は、再組立時の位置関係や精度まで考慮することが重要です。
追加工と新規製作の使い分け目安
追加工は、既存の部品や規格品を活用できるため便利な方法ですが、加工内容や必要な精度、数量、納期などを考慮し、追加工と新規製作を使い分けることが重要です。
追加工が向いているケース
既製品や既存部品の形状をある程度そのまま利用でき、穴・ねじ・溝の追加や一部の切削だけで必要な仕様にできる場合は、追加工が適しています。特に、少量生産や試作、短納期で部品を用意したい場合に有効です。また、組立時の干渉や設計変更など、既存部品を少しだけ修正したい場合にも向いています。
新規に製作したほうがよいケース
既存部品から大きく形状を変更する必要がある場合や、追加工によって部品の肉厚・強度・精度に問題が生じる場合は、一から製作したほうが適しています。加工箇所が多い場合も、追加工を繰り返すよりも最初から必要な形状に加工したほうが、工程やコストを抑えられることがあります。
追加工依頼のためのFAQ
鋳造品の追加工もできますか?
FC材などの鋳鉄は加工時の粉塵が工作機械に影響を与えることもあるため、詳細を確認させて頂いてからの加工可否判断となります。
追加工したい部品の材質が分かりません。
材質不明品は試し加工により加工可否判断をさせて頂きます。
追加工の納期はどのくらいを考えておけばいいですか?
追加工対象の部品が届き次第、最短即日で出荷までの対応可能です。
※加工内容によっては、支給品の予備をお願いする場合があります。万一、加工に失敗しても製品の補償・弁償はできませんので予めご了承ください。
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