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エポキシガラスの切削加工 | 特性とFR-4/G-10選定・設計時の注意点

エポキシガラスの切削加工 | 特性とFR-4/G-10選定・設計時の注意点

最終更新日:2026/9/16

本記事の要点

  1. エポキシガラスは、ガラス繊維とエポキシ樹脂を組み合わせた複合材料であり、高い電気絶縁性と機械的強度を兼ね備えた絶縁部品材料として幅広く使用されている。

  2. 耐熱性・難燃性・耐水性・寸法安定性にも優れ、電気・電子機器の絶縁部品から半導体製造装置の部品、治具までさまざまな用途に適している。

  3. 脆く欠けやすいほか、ガラス繊維による工具摩耗や切削粉塵に注意が必要なため、加工時は適切な工具・加工条件・安全対策を選定する必要がある。


エポキシガラスとは

エポキシガラスは、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させて硬化した複合材料です。ガラス繊維による高い機械的強度・剛性と、エポキシ樹脂による優れた電気絶縁性を兼ね備えていることが特徴です。耐熱性や寸法安定性にも優れ、電気・電子機器の絶縁部品をはじめ、半導体製造装置の部品や各種治具などにも使用されています。

エポキシガラスの基本物性・特性

比重

耐熱温度

電気特性

寸法安定性

耐摩耗性

耐衝撃性

すべり特性

1.8

180℃

絶縁

×

×

×

※上記の数値・評価は代表的なグレードにおける目安であり、製品やグレード、使用環境によって異なります。材料選定の際は、メーカーの最新仕様をご確認ください。

ベークライトとの物性比較

材質

アイゾット衝撃強さ(J/m)

引張強度(MPa)

曲げ強度(MPa)

吸水率(%)

連続使用温度(℃)

紙ベークライト

21~40

65

195

1.3

130

布ベークライト

50~100

65

195

1.3

140

エポキシガラス

290

290~390

310

0.13

155

エポキシガラスの特徴とメリット

電気絶縁性

エポキシガラスは非常に高い電気絶縁性を備えている素材です。エポキシ樹脂自体が優れた絶縁体であり、ガラス繊維と組み合わせることで、電子基板などの分野で求められる高度な絶縁性能を実現しています。端子台や絶縁スペーサー、基板周辺部品など、電気・電子機器の絶縁用途に適しています。

耐熱性

耐熱性に優れており、高温環境下でも変形や劣化が起こりにくい素材です。エポキシ樹脂の耐熱グレードを選択することで、はんだ付け工程や高温での使用にも耐えられます。ガラス繊維による補強効果も加わり、熱膨張による寸法変化が少なく安定しています。

難燃性

難燃性を考慮して設計されたグレードがあり、燃焼によるリスクを抑える必要がある電気・電子機器などで使用されています。電気機器や電子基板など、安全性が特に重視される用途では、この難燃性が製品選定の重要な基準となります。

機械的強度

エポキシ樹脂とガラス繊維を組み合わせることで、非常に高い機械的強度を実現しています。引張強度や曲げ強度に優れており、荷重がかかる部品にも使用しやすい材料です。ガラス繊維による補強によって変形しにくいため、形状を維持することが求められる部品にも利用できます。

耐水性・耐湿性

水分の吸収が少なく、優れた耐水性・耐湿性を備えています。湿度の高い環境下でも吸湿による膨張や物性の変化が起こりにくく、安定した性能を維持できます。屋外や多湿な環境で使用される電子機器、産業機器の部材としても信頼性が高い素材です。

寸法安定性に優れる

温度や湿度の変化に対して寸法変化が少なく、優れた寸法安定性を持つ素材です。ガラス繊維が骨格として機能することで、熱膨張や収縮を抑制し、精密な寸法精度が求められる部品にも適しています。

エポキシガラス材質選定上の注意点

欠けやすく脆い

エポキシガラスはガラス繊維によって高い強度・剛性を持つ一方、靭性が低く、強い衝撃や局所的な荷重が加わると欠けや割れが生じる場合があります。

加工工具の摩耗が激しい

ガラス繊維を含んでいるため、一般的な樹脂と比較して切削工具が摩耗しやすい材料です。工具の摩耗が進むと、加工面の粗さが悪化したり、寸法精度に影響したりする可能性があります。そのため、加工条件の最適化が重要です。

切削加工時の粉塵対策が必要

切削加工では、ガラス繊維を含む粉塵が発生します。粉塵が作業環境に飛散すると、作業者への健康影響や設備への付着につながる可能性があるため、集塵機の使用や適切な保護具の着用など、粉塵対策が必要となります。このため、エポキシガラスの切削加工を取り扱う加工会社は、他の材質に比べて限定的になります。

積層構造による異方性と層間剥離

ガラスクロスを積層・圧着している構造上、XY平面方向とZ軸(厚み)方向で強度が異なります。厚み方向に対して引張荷重や強いせん断力がかかると、積層面が剥がれる層間剥離を招きます。リピート製作や破損部品の再製作時、強度のばらつきを防ぐために図面上に積層方向を指示してください。

エポキシガラスのグレード

エポキシガラスには、耐熱性や難燃性などの特性が異なる複数のグレードがあり、用途や使用環境に応じた選定が重要です。

グレード

特徴

難燃性

主な用途

G-10

高い機械的強度と電気絶縁性を持つ、標準的なエポキシガラス材。


UL94 HB

絶縁スペーサー、端子台、治具、機械部品

G-11

G-10より高温環境での機械的・電気的特性に優れる高耐熱グレード。


UL94 HB

高温用絶縁部品、モーター、発電機部品

FR-4

機械的強度や電気絶縁性に加え、難燃性を持たせた代表的なグレード。


UL94 V-0

プリント基板、絶縁部品、電子機器部品


エポキシガラスの精密切削加工はユモパーツにお任せください

エポキシガラス(FR-4 / G-10)は、耐熱性や絶縁性に優れる一方で、繊維の積層方向による強度変化や加工時のバリ・層間剥離など、加工現場における材料理解と刃物選定が製品品質を左右する難削複合材です。

「ベークライトとどちらが要求仕様・コストに見合っているか相談したい」といった設計・開発段階のお悩みは、YUMO PARTS(ユモパーツ)へお気軽にご相談ください。豊富な積層板切削実績をもとに、最適なご提案をいたします。

YUMO PARTS(ユモパーツ)のエポキシガラス切削加工事例

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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