ホームkeyboard_arrow_right対応材質keyboard_arrow_right

PPの切削加工 | 樹脂の中でも軽量な汎用樹脂の精密切削加工

PPの切削加工 | 樹脂の中でも軽量な汎用樹脂の精密切削加工

最終更新日:2026/9/16

本記事の要点

  1. PPは非常に軽く、耐薬品性や強度、耐熱性にも優れるため、食品容器や自動車部品、化学設備など幅広い用途で活用される汎用樹脂である。

  2. 成形性・加工性に優れ、射出成形や押出成形など多様な加工方法に対応でき、低コストで量産しやすいことから、性能とコストのバランスに優れた材料である。

  3. 紫外線による劣化や塗装・接着の難しさに加え、切削加工ではバリが発生しやすいため、使用環境や加工方法を考慮した材料選定と設計が重要である。


PP(ポリプロピレン)とは

PP(ポリプロピレン)は、プロピレンを原料としてつくられる熱可塑性樹脂で、PE(ポリエチレン)と並ぶ代表的な汎用プラスチックです。比重が約0.90と非常に軽く、耐薬品性や耐水性、電気絶縁性に優れるほか、汎用樹脂の中では比較的耐熱性にも優れています。食品容器や自動車部品、家電製品、化学設備など幅広い分野で利用されており、コストと性能のバランスに優れた材料です。

ポリプロピレンの基本物性・特性

比重

耐熱温度

電気特性

寸法安定性

耐摩耗性

耐衝撃性

すべり特性

0.9

100℃

絶縁

※上記の数値・評価は代表的なグレードにおける目安であり、製品やグレード、使用環境によって異なります。材料選定の際は、メーカーの最新仕様をご確認ください。

PPの特徴とメリット

軽量

PPは比重が約0.90と、実用的なプラスチックの中でも特に軽量な材料です。軽量性を活かして、搬送装置の可動部品や自動車部品、機器の筐体など、重量を抑えたい用途に適しています。

耐薬品性に優れる

酸やアルカリ、塩類などに対して優れた耐薬品性を持つ材料です。薬品に触れる環境でも劣化しにくいため、薬液タンクや配管、容器、ポンプ部品などに使用されています。

機械的強度が高い

軽量でありながら、引張強度や剛性などの機械的特性を備えています。また、比較的粘り強い材料で、衝撃を受けた際にも割れにくいことが特徴です。さらに、繰り返し曲げに対する耐久性にも優れており、ヒンジなどの可動部にも利用されています。ただし、低温環境下では耐衝撃性が低下し脆化しやすいため、寒冷地で使用する場合は耐衝撃グレードの選定が推奨されます。

絶縁性に優れる

電気を通しにくく、優れた電気絶縁性を持つ材料です。そのため、電気・電子機器の絶縁部品やカバー、端子周辺部品などに使用されています。

耐熱性が高い

汎用樹脂の中では耐熱性に優れており、連続使用温度はおおむね100~120℃程度まで対応可能です。この耐熱性の高さから、電子レンジ対応の食品容器や自動車のエンジンルーム周辺部品、給湯配管など、熱にさらされる用途にも数多く採用されています。

成形性・加工性に優れる

溶融時の流動性が比較的高く、射出成形などによって複雑な形状の部品を効率よく成形できます。射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形など多様な成形方法に対応できます。また、切削加工にも対応でき、溶着やヒートシールなどの接合方法にも対応しやすい材料です。量産時の成形から試作時の切削加工まで幅広い製造方法を選択できます。

低コストである

原料価格が比較的安く、汎用プラスチックの中でもコストを抑えやすい材料です。成形サイクルが短く加工性にも優れるため、量産時の製造コストを抑えられる点もメリットです。

PP材質選定上の注意点

耐候性が低い

PPは紫外線に長期間さらされると白化や強度低下、脆化などが起こりやすく、屋外での長期使用には注意が必要です。特に直射日光を受ける部品では、時間の経過とともに機械的特性が低下する可能性があります。屋外用途では、耐候性を高めたグレードを選定したり、紫外線吸収剤や光安定剤を添加した材料を使用したりするなどの対策が必要です。

塗装・接着が難しい

表面エネルギーが低く、化学的にも安定した非極性材料であるため、塗料や一般的な接着剤が表面になじみにくく、塗装や接着が難しい材料です。無処理のまま塗装すると塗膜が剥がれたり、接着強度が十分に得られなかったりする場合があります。そのため、接着や塗装が必要な部品では、専用のプライマーや接着剤を使用するほか、コロナ放電、火炎、プラズマなどの表面処理を検討する必要があります。なお、同種材料同士を熱で溶かして接合する溶着は容易に行うことができます。

切削加工時にバリが出やすい

PPは比較的軟らかく、柔軟性の高い材料であるため、切削時に材料がきれいにせん断されず、加工端部にバリや毛羽立ちが発生しやすい傾向があります。気体や液体が通る穴や、径の小さいねじ穴など、バリの影響が大きく、かつ取り除きにくい形状の場合は、POMなどのバリが発生しにくい材質を推奨します。

PPの用途

  • 食品・包装:弁当・惣菜容器、食品トレー、ボトル、キャップなど

  • 自動車:バンパー、インパネなどの内装部品、ダクト、カバー類など

  • 化学・産業設備:薬液タンク、配管、バルブ、ポンプ部品など

  • 電気・電子機器:絶縁部品、端子カバー、電装部品など

  • 家電・日用品:収納用品、各種ケース、容器、洗濯機部品など

  • 医療・衛生用品:医療用容器、トレー、シリンジ部品など


PPの精密切削加工はユモパーツにお任せください

YUMO PARTS(ユモパーツ)ではPPの精密切削加工による特注部品の製作を1個から承ります。見積もり回答は最短2時間。「加工性を考慮してPPかPOMで材質を相談したい」「バリ取り処理が可能な形状か確認したい」といった開発段階からのご相談も大歓迎です。

比較のためのお見積り、材質選定のご相談もぜひお気軽にお問い合わせください。

YUMO PARTS(ユモパーツ)のPP切削加工事例

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

加工事例を見る