PPSの切削加工 | なぜ選ばれる?耐熱・高強度な材質特性と適切な用途
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本記事の要点
PPSは、耐熱性・耐薬品性・難燃性・寸法安定性などに優れ、電気・電子部品などに幅広く使用されるスーパーエンジニアリングプラスチックである。
ガラス繊維強化、カーボン繊維強化、摺動、導電・帯電防止などのグレードがあり、必要な機能に合わせて選択することができる。
靭性が低く割れや欠けが生じる場合があるほか、強化グレードでは工具摩耗にも注意が必要なため、材料特性や形状に応じた適切な加工が求められる。
PPSとは
PPS(ポリフェニレンサルファイド)は、優れた耐熱性や耐薬品性、難燃性、寸法安定性を持つスーパーエンジニアリングプラスチックです。高温環境や薬品にさらされる部品、電気・電子部品などに幅広く使用されています。また、ガラス繊維やカーボン繊維などを配合することで、強度や剛性、摺動性、導電性などの特性を高めたさまざまなグレードが展開されています。
PPSの基本物性・特性
比重 | 耐熱温度 | 電気特性 | 寸法安定性 | 耐摩耗性 | 耐衝撃性 | すべり特性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1.35 | 常温~190℃ | 絶縁 | ○ | △ | △ | △ |
※上記の数値・評価は標準グレードにおける目安であり、製品やグレード、使用環境によって異なります。材料選定の際は、メーカーの最新仕様をご確認ください。
PPSの特徴とメリット
高い機械的強度
高い剛性と強度を持ち、特にガラス繊維や無機フィラーを配合した強化グレードではさらに高い強度・剛性を確保できます。高温環境でも機械的特性を維持しやすく、一般的な樹脂では強度が低下しやすい温度域でも使用できます。長期間荷重がかかる場合にもクリープ変形が小さいため、寸法や形状を維持しやすい点も特長です。
耐熱性に優れる
200℃を超える高温環境でも使用できる優れた耐熱性を持っています。グレードによっては240℃程度までの連続使用温度に対応します。自動車のエンジン周辺部品や電気・電子部品など、一般的なエンジニアリングプラスチックでは対応が難しい高温環境で使用されています。
絶縁性を持つ
優れた電気特性を持つため、電気・電子部品の絶縁材料として利用されています。また、耐熱性にも優れているため、発熱する部品や高温環境で使用されるコネクタ、ソケット、スイッチなどにも適しています。
耐薬品性に優れる
非常に優れた耐薬品性を持つ材料です。酸・アルカリ・有機溶剤など幅広い薬品に対して耐性があり、高温環境でも薬品による物性低下を抑えやすいことが特長です。そのため、自動車の燃料・オイル系部品や、薬液を扱う機器の部品など、化学物質にさらされる用途で使用されています。ただし、強酸や酸化剤、一部のアミンなどでは影響を受ける場合があるため、実際の使用環境に合わせて耐薬品性を確認する必要があります。
難燃性を持つ
PPSそのものが難燃性を持つ材料であるため、難燃剤を添加しなくても自己消火性を示し、グレードによってはUL94 V-0を満たします。また、高い耐熱性も備えているため、熱や火炎への対策が求められる電気・電子部品に適しています。
寸法安定性
吸水率が非常に低いため、吸湿による膨張や物性変化を抑えやすいことが特長です。また、熱膨張が比較的小さく、クリープも小さいため、高温環境や長期間荷重がかかる用途でも寸法や形状を維持しやすくなっています。そのため、精密機器の部品やコネクタ、光学関連部品など、寸法精度が求められる用途に適しています。
PPS材質選定上の注意点
衝撃に弱い
高い剛性や強度を持つ一方で、靭性が低く、衝撃荷重に対して割れやすい傾向があります。特に低温環境では脆くなりやすいため、注意が必要です。また、ガラス繊維などを配合した強化グレードは強度や剛性が向上する一方、靭性が低下する場合があります。落下や振動などの衝撃荷重がかかる部品への採用を検討する場合は、耐衝撃グレードの選定や構造による補強など、設計上の工夫が必要です。
加工が難しい
靭性が低く、切削加工やねじ加工などの後加工では、加工条件や部品形状によって割れや欠けが生じる場合があります。特に薄肉部や角部、ねじ穴など応力が集中しやすい箇所では注意が必要です。また、ガラス繊維などを配合した強化グレードでは工具摩耗が大きくなりやすいため、工具材質や切削条件の選定も重要になります。
PPSの種類
PPSには、強度や剛性、摺動性、導電性などの特性を高めたさまざまなグレードがあり、用途や求められる性能に応じて選択します。代表的なグレードを以下に紹介します。
PPSのグレード | 特徴 |
|---|---|
非強化グレード | PPS本来の耐熱性・耐薬品性・難燃性などを活かしたグレードで、強化グレードと比較して靭性に優れるタイプもあります。 |
ガラス繊維強化グレード | 強度・剛性・耐クリープ性に優れ、荷重がかかる機械部品や構造部品などに適しています。 |
カーボン繊維強化グレード | 強度・剛性・耐クリープ性に優れ、グレードによっては導電性も備えます。高強度が求められる機械部品などに使用されます。 |
摺動グレード | PTFEなどを配合して摩擦・摩耗特性を改善したグレードで、ギアや軸受、ブッシュなどの摺動部品に適しています。 |
導電・帯電防止グレード | 導電性フィラーなどを配合して導電性や帯電防止性を持たせたグレードで、静電気対策が必要な部品に使用されます。 |
PPSの精密切削加工はユモパーツにお任せください
PPSの切削加工では、靭性の低さによる割れや欠け、強化グレードによる工具摩耗などに注意が必要で、材料特性に応じた加工条件の選定が重要です。
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