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ローレット加工とは?加工方法の種類と設計時ポイントを解説

ローレット加工とは?加工方法の種類と設計時ポイントを解説

最終更新日:2026/8/31

本記事の要点

  1. ローレット加工とは、部品表面に微細な凹凸を施すことで、操作時の滑り止めや圧入部品の回り止め・抜け止めとして機能させる加工法である。

  2. 模様の主流は、円周方向の滑り止めとなる平目と、全方向に対して高いグリップ力を発揮するあや目の2種類に大別される。

  3. 加工法は「切削式」と「転造式」があり、塑性変形を利用する転造式は加工後に外径が膨張するため、事前の公差設計と端面のバリ対策が必要である。


ローレット加工とは?目的と用途

ローレット加工とは、旋盤などで回転させた金属部品(ワーク)に専用の工具を押し当て、表面に規則的な細かい凹凸や切り込みを入れる加工のことです。

主な目的は「滑り止め」と「回り止め」です。人の手が直接触れるダイヤルつまみやグリップ部分への落下防止・操作性向上のほか、樹脂成形品にインサートナットを圧入する際、金属と樹脂の摩擦抵抗を増やしてズレを防止するための機能的な接合部にも広く用いられます。

ローレット加工の種類

ローレット加工によって作られる模様は主に2種類あり、用途や力のかかる方向に応じて使い分けられます。

平目模様

円周上に対して垂直な縦溝を等間隔に掘る模様です。円周方向への回転に対する滑り止め・回り止めとして機能します。主に一方向への回転操作が求められるツマミやダイヤル部品などに適しています。

ローレット加工(平目模様)

あや目模様

斜めの溝を交差させることで、ひし形の目を連続して作る模様です。円周方向、軸方向に対して滑り止め効果を発揮します。手でしっかりと握り込むグリップバーや、強力な抜け止めが必要なインサート金具などに採用されています。

ローレット加工(あや目模様)

ローレット加工法「切削式」と「転造式」

ローレットの加工方法は「切削式」と「転造式」の2種類に大別されます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、使用条件や要望に合わせた選択が必要です。

項目

切削式ローレット加工

転造式ローレット加工

加工原理

刃物で素材を削り取って溝を作る

強い圧力で素材を押し潰し、盛り上げる(塑性変形)

外径寸法の変化

加工前よりも小さくなる

加工前よりも大きくなる

ワークへの負荷

少ない、細長い部品の加工も可能

大きい、過負荷によるワークのたわみに注意

段差際の加工

工具の構造上、段差のキワまでは加工不可

段差のギワまで加工可能

中間部からの加工

不可(端面からのアプローチが必要)

ワークの中間部からでも加工可能

適正素材

樹脂を含む幅広い素材に対応可能

展延性のある金属(アルミ、真鍮、軟鋼など)※鋳鉄などの硬すぎる素材や樹脂は不可

加工スピード

比較的時間がかかる

短時間で量産加工が可能

コスト

加工時間が長く、メンテナンスや工具コストが発生するためコストは高い

材料損失が少なく、量産加工が可能なためコストは低め

※ここで示す加工特性や適正素材、寸法変化の傾向は一般的な一例であり、材質の硬度、ローレットピッチ、加工機の剛性等の条件により変動します。

ローレット加工のトラブルと回避する設計のコツ

加工方法の選定

転造式は外径が加工前より大きくなります。完成品の外径寸法にシビアな公差が求められる場合、あらかじめ加工前の素材径を小さく設計しておく必要があります。短時間での加工が可能で、量産に向いており、コストは切削式に比べ低くなります。

一方、切削式は加工後に外形がわずかに小さくなります。加工時間が長くなり、コストも高くなります。薄肉部品や脆い材質、転造式の加工では割れやすい素材に適しています。

ピッチの選定

ピッチはJISで規定されたモジュールから選定します。ピッチが細かいほど見た目が滑らかで小径・薄肉部品に適しますが、滑り止め効果はやや弱くなります。逆にピッチが粗いほどグリップ力は高まりますが、山が鋭くなり怪我や欠けのリスクが増します。

逃げの設計

段付き形状の根元までローレットを刻みたい場合は工具が入りやすいよう、根元に「逃げ溝」を設けることで加工しやすくなり、工具の寿命も延びます。

バリ防止の端面処理

ローレット加工を施すと、溝の終端や部品の端面にバリが押し出されやすくなります。 これを防ぐため、加工端面にC面取りを設けるか、ローレット加工の終点部分にヌスミ(逃げ溝)を設計しておくことで、バリの発生を抑え、バリ取り工数を削減につながります。

エッジ処理

ピッチが粗いほどエッジが鋭利になります。用途がグリップ・つまみ等の人が触れる部品の場合は、山先端に丸みを持たせるなど、エッジを緩和する配慮が必要です。

一方、圧入や回り止めなど機能部品としての用途では鋭さがかえって食いつきの良さにつながるため、安全性と機能性のどちらを優先するかを明確にした上でエッジ形状を検討することが設計上のポイントです。


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ローレット加工とは?加工方法の種類と設計時ポイントを解説

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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