ホームkeyboard_arrow_right参考資料keyboard_arrow_right切削・3Dプリント 設計ガイドkeyboard_arrow_right

金属加工とは?主な金属加工の種類を解説【金属加工メーカー】

金属加工とは?主な金属加工の種類を解説【金属加工メーカー】

最終更新日:2026/10/8

本記事の要点

  1. 金属加工は、切削や塑性加工、鋳造、接合、熱処理、表面加工など多様な方法があり、材質や形状、精度、数量、用途に応じて適切な加工方法を選択することが重要である。

  2. 金属は強度や耐熱性に優れる一方、ステンレスやチタン、インコネルなどの難削材は加工硬化や工具摩耗などに注意が必要で、加工時間やコストが増加する場合がある。

  3. アルミニウムや銅、チタン、マグネシウムなど金属ごとに強度、耐食性、熱伝導性、重量などの特性が異なるため、要求性能と加工性の両面から材質を選定することが重要である。


金属加工は製品・部品を作るための、金属に対して行う加工全般を指します。多様な金属加工方法があり、用途や形状・数・納期によって最適な加工方法を選ぶことができます。金属加工は「形状を変える金属加工」と「性質を変える金属加工」の2つに大別されます。形状を変える金属加工は、金属の材料を加工して任意の形状にする加工方法です。性質を変える金属加工は、素材に熱や化学的な処理を行うことで、硬度や耐食性などの性質を強化する加工方法です。本記事では金属加工の特徴、金属加工方法、対応材質について解説します。

金属加工の種類

金属加工は主に「機械加工」「塑性加工」「鋳造」による材料の形状を変える金属加工と、「熱処理加工」「表面処理」による材料の性質を変える金属加工に分類されます。金属加工のメリットは、材料の機械的強度が高い点にあります。一般的なプラスチック素材と比較すると金属の強度は高く、耐熱性に優れています。熱膨張係数が低い材料が多く、寸法変化が少なく精度が高いのも金属加工のメリットです。しかし、硬く重いことから加工の難易度はプラスチックと比較すると高くなります。

求められる形状や精度、数量、材料特性に応じて適切な加工方法を選択することが重要です。ここでは、代表的な金属加工の種類とそれぞれの特徴・用途について解説します。

機械加工

機械加工は、工作機械を使って加工する加工方法です。切削加工や研削加工、特殊加工が分類されます。これらはNC旋盤や旋盤機などの専用の機械が必要で、機械加工はこれらの設備を使う部品加工です。

加工方法

概要

特徴・用途

切削加工

切削工具を用いて金属材料を削り、目的の形状・寸法に仕上げる加工方法。

高い寸法精度や形状精度が得られ、試作部品、精密部品の量産など幅広く利用される。

穴あけ加工

ドリルなどの工具を使用して、金属材料に穴を加工する方法。

ボルト穴、ねじ穴、位置決め穴などに用いられる。金属部品の製作における基本的な加工方法の一つ。

研削加工

高速回転する砥石によって材料表面を微細に削り、仕上げる加工方法。

高い寸法精度や滑らかな表面を実現しやすく、精密部品や金型の最終仕上げに用いられる。

特殊加工

放電加工やレーザー加工など、特殊なエネルギーを利用して材料を加工する方法。

高硬度材や複雑形状の加工に適しており、切削加工では対応が難しい部品や金型の製作に用いられる。

放電加工

電極と工作物の間で発生する放電エネルギーを利用して、材料を溶融・除去する加工方法。

高硬度材や複雑形状の加工に適しており、金型や精密部品の製作に用いられる。

切断加工

金属材料を必要な寸法・形状に切り分ける加工方法。

板材や棒材、パイプなどの切り出しに用いられ、その後の加工工程の素材準備としても利用される。

塑性加工

塑性加工は材料の可塑性を利用した加工方法です。外部から力を加えて形状を変化させた後、そのまま形状を維持できるという性質を活かして加工します。

加工方法

概要

特徴・用途

プレス加工

金型を用いて金属板に圧力を加え、打ち抜きや成形を行う加工方法。

短時間で同じ形状の部品を大量生産でき、自動車部品や筐体、ワッシャーなどに利用される。

曲げ加工

金属板やパイプに力を加えて、目的の形状に変形させる加工方法。

板金部品やパイプ部品の製作に多く用いられ、材料ロスを抑えやすい。

押出し加工

金属材料を金型から押し出し、一定の断面形状に成形する加工方法。

複雑な断面形状を連続的に成形でき、アルミフレームやパイプなどに利用される。

接合加工

加工方法

概要

特徴・用途

溶接

金属材料の接合部を加熱・溶融させ、一体化する加工方法。

強固な接合が可能で、板金部品や大型構造物、機械フレームなどに広く利用される。

ろう付け

母材より融点の低いろう材を溶かし、母材を溶融させずに接合する方法。

異種金属や複雑な形状の接合に適しており、精密部品や配管部品などに利用される。

はんだ付け

はんだを溶融させて、金属部品同士を接合する方法。

比較的低温で接合できるため、電子部品や電気部品などの接合に広く利用される。

かしめ

金属材料の一部を塑性変形させ、部品同士を機械的に固定する方法。

溶接や接着剤を使用せずに接合でき、板金部品や端子、リベット接合などに利用される。

鋳造

加熱すると溶融し、冷却すると凝固する金属の性質を利用して金属部品を製作する加工方法です。 型に溶融した金属を流し込み、冷却して鋳型から取り出します。金型製作が必要なため初期費用がかかりますが、大量生産に向いた加工方法です

加工方法

概要

特徴・用途

砂型鋳造

砂で作った鋳型に溶融金属を流し込み、冷却・凝固させる鋳造方法。

大型部品や少量生産に適しており、鉄鋼やアルミニウムなど幅広い材料に対応できる。

ダイカスト

金型へ溶融金属を高圧で注入し、成形する鋳造方法。

寸法精度や表面品質に優れ、大量生産されるアルミニウム合金や亜鉛部品などに多く利用される。

精密鋳造(ロストワックス)

ろう(ワックス)で作成した模型をもとに鋳型を作り、溶融金属を流し込む鋳造方法。

複雑形状や薄肉形状を高精度に製作でき、航空機部品、医療機器、精密機械部品などに用いられる。

熱処理加工

熱処理加工は、材料を加熱・冷却することによって、硬度や組織を変化させて性能を向上させる加工です。硬さや耐摩耗性、耐食性を強化をすることができます。

加工方法

概要

特徴・用途

焼入れ

鋼材を高温に加熱した後、急冷することで硬さや強度を向上させる処理。

耐摩耗性が求められる金型、歯車、軸部品などに利用される。

焼戻し

焼入れ後の鋼材を再加熱して冷却し、硬さを調整しながら靭性を向上させる処理。

焼入れによる脆さや割れのリスクを抑え、用途に応じた機械的性質に調整するために行う。

焼なまし

金属を加熱した後、時間をかけてゆっくり冷却することで、材料を軟化させる処理。

内部応力の除去や加工性の向上、残留応力の低減などを目的に利用される。

表面加工

金属の表面に皮膜を形成するめっきと、表面を改質する化成処理があります。錆が発生することを防ぐ目的の他に、表面の硬化や見た目の美化などの目的にも使われます。

加工方法

概要

特徴・用途

めっき処理

表面に別の金属皮膜を形成する表面処理。

耐食性、耐摩耗性、導電性、装飾性などの機能を付与でき、ニッケルめっきやクロムめっきなどがある。

クローム処理

表面にクロムの皮膜を形成する表面処理。

耐食性や耐摩耗性、表面硬度を向上させる目的で行われ、シャフトやギア、摺動部品などに利用される。

アルマイト処理

アルミニウム表面に人工的な酸化皮膜を形成する処理。

耐食性や表面硬度を向上でき、アルミニウム部品の保護や着色に利用される。

加工方法の選び方

金属加工の方法は、部品の形状、要求される寸法精度・表面品質、生産数量、材料特性、コストを総合的に考慮して選定することが重要です。複雑形状や高精度部品には切削・研削加工、薄板には板金・曲げ加工、中空形状には鋳造など、形状に適した加工方法を選びます。また、試作や少量生産では切削加工、大量生産ではプレス加工や鋳造が適する場合があります。材料の加工性や必要精度も考慮し、過剰な品質要求を避けることがコスト低減につながります。

金属加工の注意点

金属材料には高い強度や耐熱性など多くのメリットがある一方で、用途によっては樹脂の方が適しているケースもあります。ここでは、樹脂と比較した場合の金属材料の主なデメリットを紹介します。

比重が大きい

金属材料は樹脂に比べて密度が高く、同じ形状であれば部品質量が大きくなります。そのため、自動車や航空機、ロボットなど軽量化が求められる製品では不利になる場合があります。また、部品質量の増加は搬送や組立時の負担、装置全体の消費エネルギーにも影響します。強度が必要な箇所は金属、軽量化を優先する箇所は樹脂とするなど、用途に応じた材料選定が重要です。

腐食しやすい

鉄鋼材料をはじめとする金属は、水分や塩分、薬品などの影響を受けると腐食する場合があります。腐食が進行すると強度低下や寸法変化、外観不良につながるため、使用環境に応じた対策が欠かせません。必要に応じてステンレスやアルミなど耐食性の高い材料を選定したり、めっきや塗装、アルマイトなどの表面処理を施したりすることで、耐久性を向上できます。

絶縁性が求められる用途では不向き

金属材料は導電性を持つため、電気絶縁が必要な用途には適していません。電子機器や半導体製造装置、電気設備などでは、漏電や短絡を防ぐために高い絶縁性が求められることがあります。このような用途では樹脂やセラミックスが採用されることが多く、金属を使用する場合は絶縁スペーサーや樹脂部品、絶縁コーティングなどを組み合わせて必要な絶縁性能を確保する必要があります。

主な金属加工の対応材質

材質

引張強さ(MPa)

融点(℃)

熱伝導率(W/m・K)

特徴・加工性

アルミニウム

約90~150

660

237

軽量で熱・電気伝導性に優れ、比較的加工しやすい

ステンレス鋼

520以上

約1,400~1,450

16.3

耐食性・強度に優れる。加工硬化に注意が必要

銅

約195以上

1,083

391

非常に高い熱・電気伝導性を持つ

真鍮

約335~540

約880~900

約117

切削性に優れ、複雑形状の加工にも適する

チタン

約900~1,000

約1,650

7.5

軽量・高強度・耐食性に優れるが難削材

モリブデン

約500~800

2,623

142

非常に高い耐熱性を持ち、高温下でも高い強度を維持できる

マグネシウム

約250~290

約575~650

約150

非常に軽量。切削時は切りくずの発火に注意が必要

インコネル

約1,000~1,400

約1,260~1,330

約11~12

高温・高負荷環境で優れた強度・耐食性を維持する難削材

金属加工依頼のためのFAQ

サービス内容は?

YUMO PARTSでは、短納期での金属精密切削加工を承っております。銅などの金属材質を、お客様の図面や3D-CADデータを元に加工機械で削り出します。製品開発の試作や、小ロットで必要な部品の製作を中心にお引き合い頂いています。頂いたデータに基づいた切削加工だけではなく、図面のない設計段階からのご相談にも対応可能です。製図には別途費用を頂きます。

どのような加工に対応していますか?

当社は切削加工による両手に乗るサイズまでの小さな部品の高精度加工が得意な加工会社です。フライス・旋盤加工で可能な範囲の加工に対応いたします。これまでの加工実績は納品実績をご覧ください。加工後の表面処理や熱処理もまとめて依頼できます。

加工の見積もりに必要なものは何ですか?

見積もりには形状と寸法が分かる図面やCADデータと、材質・数量・希望納期の情報が必要です。条件や形状によっては、これら以外の情報も必要になる場合があります。

最小ロットは?

当社の最小ロットは1個です。多品種小ロットの生産に特化した生産管理を行っています。1図面の1個のみの試作もお任せください。1000個以内の量産にも対応可能です。

依頼方法は?

お問い合わせフォームから必要な情報を入力・添付して送信頂ければスムーズにお見積りすることができます。


金属加工はユモパーツにお任せください

YUMO PARTS(ユモパーツ)ではアルミ合金からチタン合金、マグネシウム合金などの難削材まで多様な材質の加工実績があります。他社で断られた図面についても一度お問い合わせください。

金属加工とは | 金属加工の材料選定ガイド【切削加工・3Dプリント】

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

加工事例を見る