金属加工とは?切削と3Dプリントの対応材質を紹介
2025/12/22
金属加工の特徴
金属加工は、金属材質の形状と性質を変えて製品として使用するための加工全般を指します。切削加工や板金加工、鋳造、鍛造、3Dプリント、表面処理、熱処理など多くの加工方法があります。切削加工や板金加工で製品としての形状を作り出し、アルマイトやめっきなどの表面処理で性質の付与を行うのが一般的な金属加工の工程です。金属の持つ強度と耐熱性を活かした製品を製作することができる一方で、加工の難易度は高く、特に難削材は相応の時間と設備・加工技術が必要になります。
材質全般の強度と耐熱性が高い
材質の種類が豊富
表面処理の種類が豊富
加工方法が豊富
金属加工の注意点
金属は優れた強度を持つ材質である反面、加工の難易度が高い傾向にあります。特に難削材と呼ばれる金属は、硬度が非常に高く、加工中に硬化する加工硬化を起こすものもあります。これらの材質は長時間の加工が必要で、コストを引き上げる要因となります。また、マグネシウムのように加工中に火災が起こるリスクがある材質もあります。
加工の難易度が高い
難削材は加工コストが高い
加工中の事故への注意が必要な材質がある
主な金属加工の対応材質
アルミニウム
アルミニウムは、軽量で強度に優れた汎用的な金属材質です。熱伝導率・電気伝導率が高く、熱交換器や電子部品などに利用されます。低温下での脆性破壊が起こりにくく、靭性に優れていることから、人工衛星や低温プラントの部品の材質にも利用されます。また、無害・無臭であるため、機械や装置の部品、日用品など幅広い場面で使用されています。
高強度
軽量
低温下で使用可能
熱と電気の伝導率が高い
非磁性体
ステンレス鋼
ステンレス鋼は、鉄を主成分とし、クロムやニッケルなどを添加した合金鋼です。その最大の特徴は、錆びにくさ(耐食性)にあります。鉄に10.5%以上のクロムを含有させることで、表面に強力な不動態皮膜を形成し、内部を腐食から保護しています。この皮膜は非常に薄く、わずか数ナノメートル程度の厚さしかありませんが、外部からの刺激によって損傷を受けても、クロムが大気中の酸素を反応して皮膜が再生します。
優れた耐食性
優れた強度
電気と熱の伝導率が低い
難削材
銅
銅は、銀に次ぐ高い熱伝導性と電気伝導性を持つ金属です。導電材料・放熱材料として電子機器部品や熱交換器に利用されます。また、完全非磁性を持つ金属であり、磁石などの影響で磁性を帯びることがありません。銅の表面に微生物が付着すると、微生物の細胞膜を破壊し、最近やウイルスを死滅させます。アルミニウム同様、極低温化でも使用でき、脆性破壊が起こりにくい特徴があります。
完全非磁性
極低温化で使用可能
熱と電気の伝導率が極めて高い
超抗菌効果
真鍮
真鍮は銅と亜鉛の合金で、特有の金色の輝きと優れた加工性で知られています。機械加工のしやすさ、耐食性、美しい外観から、楽器や装飾品、精密部品など幅広い用途で使用されています。特に複雑な形状の部品にも対応しやすいため、真鍮は加工材として非常に人気があります。
純銅ほどの電気伝導性はありませんが、真鍮も中程度の電気・熱伝導性を備えており、電気コネクタや継手類などにも適しています。また、銅と同様に抗菌性をある程度有しており、衛生的な用途やハードウェアなどにも活用されています。
優れた加工性
優れた耐食性
美しい金色の外観(有色金属)
中程度の電気・熱伝導率
抗菌性あり
チタン
チタンは、軽量で比強度と耐熱性に優れた金属材質です。融点は約1668℃と、アルミニウムや銅、ステンレス鋼などの主要材質よりも高く、高温環境でも安定した性質を発揮します。また、チタンは化学的に活性であり、空気中の酸素に触れると強固な結合を起こします。この酸化チタンの皮膜により内部が保護され、高い耐食性を発揮します。さらに、生体親和性の高い金属であり、金属アレルギーを起こしにくいことから、医療機器などの治療に使用する器具にも利用されます。
軽量で高強度
優れた耐食性
優れた耐熱性
熱と電気の伝導率が低い
生体親和性が高い
モリブデン
モリブデンは、融点が約2,620℃、沸点が約4,650℃の高融点金属です。金属材質の中で5番目に融点が高く、超高温環境での使用に適した材質で、高温下でも高い強度を発揮します。また、線膨張係数が低く、高温下での寸法安定性にも優れています。切削加工用材料として使用される他に、合金の添加金属としても使用されます。モリブデンが添加された合金は、硬度が向上し、変形しにくい性質を得ます。熱伝導率は20℃約142W/(m・K)と、比較的高い熱伝導性があります。
高硬度
優れた耐熱性
優れた耐酸性
高い熱伝導性
マグネシウム
マグネシウムは、実用金属で最も軽量で、比強度に優れた金属です。マグネシウムの比重は1.74g/cm³と、同じく軽量な金属であるアルミニウムの2.70g/cm³の約3分の2の軽さです。比強度の高さから製品の軽量化を目的に、さまざまな部品に使用されます。切削性が良好で、精密部品への加工にも適しています。融点650℃とアルミニウムと同程度です。また、実用金属で最も高い振動吸収性があります。
軽量で高強度
熱と電気の伝導率が高い
安定した電磁波シールド性
優れた寸法安定性
インコネル
インコネル(Inconel®)は、高温・高負荷環境での強度・耐食性に優れた高ニッケル合金です。ニッケルを主体に鉄、クロム、ニオブなどが含まれています。クロムにより表面に強固な不動態皮膜が形成されており、優れた耐食性を発揮します。700℃までの高温環境において、高い強度を維持します。
優れた耐熱性
優れた機械的強度
熱の伝導率が低い
優れた耐食性
高温で高い硬度と耐酸化性、耐食性を発揮
マルエージング鋼
マルエージング鋼は、低炭素18%Ni鋼にコバルト(Co)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などを添加した時効硬化型の超強力鋼です。高硬度と高靱性を両立した稀有な性質を持つ金属材質であり、ロケットや人工衛星などの宇宙航空分野で使用されています。熱処理により硬度や引張強さ、降伏強さを向上させることができます。
優れた硬度
優れた靭性
金属加工の材質選定のご相談はお任せください
湯本電機では金属と樹脂の200種類以上の材質の加工実績があります。豊富な加工経験を活かした材質選定のお手伝いをします。ご相談は無料なのでお気軽にお問い合わせください。


