難燃性プラスチックの種類【UL94 V-0材質】
2025/12/22
難燃性プラスチックとは、燃えにくく、燃えても自己消火性がある樹脂材質です。高機能樹脂の開発により、樹脂材質は高温環境で使用できるようになりました。高温環境で使用する上で、重要な物性が難燃性です。本記事では、難燃性プラスチックを紹介します。
難燃性とは
難燃性の定義
難燃性とは、材質が燃えにくく自己消火性がある性質を言います。具体的には、燃え広がりにくい、燃焼速度が遅い、燃えても炎が消えやすいといった特性を備えています。結晶構造から難燃性である材質や、難燃剤と呼ばれる物質を添加することで、この性質を得た材質があります。
UL94規格
UL94規格は、アメリカのUL Solutionsが認証する、樹脂材質の燃えにくさを評価するための規格です。この規格では、難燃性の高い順に、5V-A、5V-B、V-0、V-1、V-2、HBの6段階で評価します。
酸素指数
酸素指数は、JISによって定めた、材料が燃焼する傾向の指標です。これは燃え続けるために必要な酸素濃度を数値で示しており、この数値が高いほど燃えにくいと評価します。
難燃性プラスチック材質の種類
以下では難燃グレードがV-0の材質を紹介します。
PEEK
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、熱可塑性樹脂の中で最高レベルの耐熱性と機械的強度、耐薬品性を持つ材質です。燃焼時の有毒ガスの発生量も非常に少ない特徴があります。
PPS
PPS(ポリフェニレンサルファイド)は、優れた耐熱性と耐薬品性を持つ樹脂です。吸水率が0.02%と極めて低く、吸水・吸湿による寸法変化が起こりにくい特徴があります。PEEKに近い性能でありながら、同サイズでの材料価格は4分の1から2分の1程度です。
PTFE
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、耐薬品性・耐摩耗性に優れたフッ素樹脂です。滑らかな表面は摩擦係数が非常に低く、摺動部品として高い性能を発揮します。
PVDF
PVDF(ポリビニリデンフルオライド)は、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂です。フッ素樹脂の中で最も誘電率が高く、機械的強度が高い特徴があります。
PEI
PEI(ポリエーテルイミド)は、PEEKを超える引張強度があり、幅広い温度域で高いクリープ耐性を発揮します。高温下の劣化が非常に少ない特性があります。また、非常に優れた耐加水分解性があり、繰り返しの蒸気減菌に対応できます。
PAI
PAI(ポリアミドイミド)は、非常に優れた引張強度と圧縮強度、耐摩耗性、耐衝撃性を250℃の高温まで発揮する非結晶性の熱可塑性樹脂です。
PPSU
PPSU(ポリフェニルサルフォン)は、優れた耐加水分解性があり、繰り返しの蒸気減菌に対応し、特に医療分野で使用されています。光透過性が高く、カバーやのぞき窓にも使用されます。
PI
PI(ポリイミド)は、非熱可塑性であり、熱により溶融しません。そのため高温下でも高い機械的強度を維持します。連続使用温度は300℃であり、瞬間的には400℃までの耐熱性があります。
まとめ
難燃性プラスチックは、主に高温環境で使用するために開発された、スーパーエンジニアリングプラスチックが対応しています。また、標準グレードでは難燃性ではなくても、難燃グレードがある材質(例えばベークライト)もあります。
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