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ベークライトの種類とそれぞれの特徴を解説

ベークライトの種類とそれぞれの特徴を解説

2025/12/22

ベークライトは大別すると紙ベークライトと布ベークライトの2種類あり、一般的なプラスチック材質と同様、一部の特性を強化した特殊グレードもあります。これにより難燃性・強度・電気特性など、用途に応じたグレードを選択することができます。この記事ではベークライトの種類とグレード、それぞれの特徴を紹介します。

紙ベークライト

紙を基材としたベークライトです。機械的強度と耐熱性に優れています。比較的摩耗のしやすい材質ですが、安価でコストパフォーマンスに優れた汎用的な素材として様々な部品に利用されています。

布ベークライト

布を基材としたベークライトです。紙ベークライトよりも機械的強度が優れています。価格はサイズにもよりますが、紙ベークライトの2倍前後します。

細糸布ベークライト

細糸布の布基材を厚板として使用することで耐衝撃性、耐振動性が向上した精密加工用の素材です。JIS規格では精密機械加工用PL-FLI、電気及び打ち抜き用PL-FLEと表記されます。

太糸布ベークライト

太糸布を使ったベークライトは機械的強度に優れ、大きな荷重に耐えることができる点が特徴です。そのためベアリングや軸受けなどの大きな荷重がかかる部品に使用されています。JIS規格では機械用PL-FCM、電気及び機械用 PL-FCEと表記されます。

ガラス布基材ベークライト

打ち抜き加工に適しており、車両機器周りの部品に利用されています。この材料の特徴としては、ガラスが含まれているため、軟化温度が350℃以上となっています。JIS規格では長繊維ガラス布基材、機械用PL-GHと表記されます。

紙ベークライトと布ベークライトの違い

ベークライトは機械的強度に優れる材質で、布ベークライトは紙ベークライトよりも優れた機械的強度を発揮します。強度の違いは基材の性質差によるもので、紙よりも布の方が強度に優れるため、布ベークライトの方が優れた性質を持つ材質となっています。

例えば市販のガムテープにも紙製と布製がありますが、紙製は手で簡単に裂けるのに対し、布製は裂くのに力を要することからも、布製の方がより強度に優れると想像できます。

また外観にも違いがあります。布の方が厚みがあるため、積層目がはっきりと見えます。下の画像は左が布ベークライト、右が紙ベークライトです。

布ベークライトは紙ベークライトよりも材料費が高くなります。厚みや径によって前後しますが、2倍程度の差があります。電気絶縁性やコストメリットを求める場合は紙ベークライト、より高い機械的強度を求める場合は布ベークライト、といった使い分けが有効です。

黒ベークライト

黒ベークライトは樹脂由来の黒色塗料を混ぜて仕上げたベークライトです。紙ベークライトと布ベークライトの両方にあります。通常のベークライトと異なるのは外観のみで、物性は基本的に同じです。外観部品などで、装飾目的で黒ベークライトを採用することがあります。経年劣化による変色が目立ちにくい利点があります。

原色に比べて黒色の方がわずかに価格は高くなります。なお、黒色の布ベークライトは基本的に受注生産品になります。

難燃ベークライト

難燃ベークライトは難燃性が通常グレードよりも優れており、UL94規格でV-0程度の難燃性を持つ材質です。これは燃えにくく自己消火性があることを意味しています。通常グレードのベークライトはHBであり、燃えにくい材質ですが自己消火性はありません。

難燃性とは燃えにくさの度合いを表します。UL94規格が定める試験では、材料の試験片を片端で固定して水平に保持し、その逆の端に一定の秒数ガスバーナーの炎を接炎させ着火の具合を観測します。結果によってHBから5V-Aに分類されます。

V-0の難燃性を持つ難燃ベークライトは、「PL-1147(住友ベークライト)」「PS-1251TF(利昌工業)」「PS-1651TF(利昌工業)」などがあります。

また、V-0の材質はスーパーエンジニアリングプラスチックが多く、代表的なものにPEEKやPPS、PTFEなどがあります。難燃ベークライトは通常のベークライトの倍程度の価格ですが、スーパーエンプラと比較すると安価な素材です。

帯電防止・静電気拡散特性ベークライト

通常のベークライトの特性に静電気の帯びにくさを加えたグレードです。MC501CDRなどの他素材の帯電グレードの代替材としても利用されます。

帯電を避けて埃などの付着を抑えたい場面で、ベークライトの硬さや耐熱性を求める場面で選ばれます。他素材よりも安価であることも選ばれる理由です。

ベークライトの表面のみ帯電防止性能が備わった製品と、全ての層に帯電防止性能が加わった製品があります。切削加工で削り出しに使う場合は、全層に帯電防止性能が加わったグレードが適しています。

コールド材

コールド材は打ち抜き加工に使用する薄板に適したベークライトです。材料の配合を変更し、柔軟にすることで低温での打ち抜き加工性が向上しています。「FL-1065(フタムラ化学)」「PS-1131(利昌工業)」PS-2162(利昌工業)」などがあります。

まとめ

ベークライトは大別して紙ベークライト、布ベークライトの2種類あります。布ベークライトの方が機械的強度が優れており、価格も上がります。それぞれ色違いの黒ベークライトがあります。原色よりも若干価格が上がり、受注生産のためすぐには入手できない可能性がある点に注意が必要です。さらに、燃えにくく自己消火性のある難燃性グレード、帯電防止グレードもあり、多くの場面で適切な素材として候補に挙げることができます。


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