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NAK材の切削加工 | プラスチック金型用鋼材の精密切削加工

NAK材の切削加工 | プラスチック金型用鋼材の精密切削加工

最終更新日:2026/10/9

本記事の要点

  1. NAK材は高い硬度と優れた切削加工性を併せ持つプリハードン鋼で、主にプラスチック金型や精密な機械部品などに使用される材料である。

  2. 加工後の熱処理を省略できるため、熱処理による変形を抑えながら加工工程を短縮でき、寸法精度が求められる金型の製作にも適している。

  3. NAK55は快削性、NAK80は鏡面仕上げ性に優れるなど特性が異なるため、必要な硬度や加工性、表面品質などの要求に応じて鋼種を選定する。


NAK材とは

NAK材は、大同特殊鋼株式会社が開発したプリハードン鋼で、主にプラスチック金型などに使用される鋼材です。製造段階で時効硬化処理などを施し、あらかじめ所定の硬度に調整されています。そのため、加工後の焼入れ・焼戻しを必要としません。約40HRCの高い硬度を持ちながら切削加工性にも優れており、熱処理による変形を抑えやすいことが特徴です。また、NAK55は加工性、NAK80は鏡面仕上げ性に優れるなど、鋼種によって特性が異なります。

NAK材の特徴とメリット

強度・硬度が高い

あらかじめ焼入れ・焼戻しなどの熱処理を施したプリハードン鋼で、一般的に37~43HRC程度の硬度を持ちます。高い硬度によって耐摩耗性にも優れるため、繰り返し使用される金型や機械部品など、摩耗を抑えたい用途に適しています。金型として長期間の量産用途においても、変形や欠けなどのトラブルが少なく、安定した成形品質を維持しやすい材料です。

加工性に優れる

一般的な高硬度鋼と比較して切削加工しやすいことが特徴です。特にNAK55は、快削性を重視して開発された材料で、約40HRCの硬度を持ちながら良好な被削性を備えています。そのため、フライス加工や穴あけ、旋削などの切削加工に適しており、複雑な形状の部品にも対応しやすい材料です。

寸法安定性が高い

製造段階で所定の硬度に調整されているため、加工後に焼入れ・焼戻しなどの熱処理を行う必要がありません。一般的な鋼材では、熱処理に伴う加熱・冷却によって変形や寸法変化が生じる場合がありますが、NAK材ではこうした熱処理による変形が起こりにくくなります。また、組織的な偏りが少なく方向性による特性差(異方性)が小さいため、大型の金型であっても寸法精度を保ちやすい点が特徴です。

加工工程を短縮できる

一般的な金型用鋼では、粗加工後に焼入れ・焼戻しを行い、その後に仕上げ加工を行うという工程が必要です。これに対してNAK材は、熱処理工程そのものを省略できます。結果として金型製作全体のリードタイムが短縮され、コスト削減にもつながります。

鏡面仕上げや表面加工に適する

硫化物などの介在物が少なく、組織が非常に微細かつ均一であることから、研磨性に優れています。この特性により、光学レンズ用金型などで求められる高精度な鏡面仕上げにも対応可能です。また、組織の均一性はエッチングによるシボ加工においても模様のムラを防ぎ、美しい仕上がりを実現します。放電加工後の面質も安定しており、外観品質が重視される成形品向けの金型材料として高く評価されています。

NAK材選定上の注意点

追加の熱処理による硬度向上が難しい

NAK材は、製造段階で時効処理などによって所定の硬度に調整されたプリハードン鋼です。そのため、一般的な鋼材のように、加工後に焼入れ・焼戻しを行って硬度を大幅に高める使い方には適していません。より高い硬度や耐摩耗性が必要な場合は、使用条件に適した高硬度鋼などを選定する必要があります。

NAK材の種類

NAK材には、快削性のNAK55、表面加工性に優れるNAK80などがあります。

種類

主な特徴

用途例

NAK55

快削性に優れたプリハードン鋼で、約40HRCの硬度を持つ。切削加工性や加工後の研磨性、溶接性に優れ、使用時の歪みも少ない。

高性能・精密プラスチック金型、ゴム金型、プレス金型(ベンダーなど)、産業機器などの各種部品

NAK80

NAK55をベースに、鏡面仕上げ性や放電加工肌、靭性を改善したプリハードン鋼。特に鏡面仕上げ性に優れ、透明成形品など高い表面品質が求められる金型に適する。

透明品用金型、鏡面仕上げを重視する精密プラスチック金型、放電加工肌を重視する金型など


NAK材の精密切削加工はユモパーツにお任せください

YUMO PARTS(ユモパーツ)ではNAK材の精密切削加工による部品の製作を1個から承ります。NAK材は金型用材料としての用途だけでなく、後工程での熱処理を必要とせず高い硬度が得られるため、コスト・納期面から機械部品の材料としても適しています。

「部品の条件にNAK材が適しているか知りたい」「NAK55とNAK80、どちらが最適か?」など、開発段階からのご相談も大歓迎です。部品製作のための金属加工は、お気軽にお問い合わせ・お見積りください。

YUMO PARTS(ユモパーツ)のNAK材切削加工事例

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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