PETの切削加工 | 透明性と耐薬品性に優れたエンプラの選定ポイント
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本記事の要点
PETは、機械的強度や耐摩耗性、耐薬品性、透明性などに優れ、機械部品から容器まで幅広い用途で使用される熱可塑性ポリエステル樹脂である。
低温環境でも比較的安定した強度を維持し、吸水性が低く寸法安定性にも優れるため、透明性や耐薬品性が求められる部品・製品に適している。
高温・高湿度環境では加水分解による物性低下が起こるほか、強酸・強アルカリにも注意が必要で、使用環境に応じた材料選定と形状設計が重要である。
PET(ポリエチレンテレフタレート)とは
PET(ポリエチレンテレフタレート)は、エチレングリコールとテレフタル酸を原料とする熱可塑性ポリエステル樹脂です。ペットボトルや食品容器、フィルム、繊維など身近な製品に広く使用されているほか、機械部品や電気・電子部品などの工業用途にも利用されています。機械的強度や耐摩耗性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れ、吸水率が低く寸法安定性にも優れることが特長です。また、透明性を活かした部品にも使用できます。
PETの基本物性・特性
比重 | 耐熱温度 | 電気特性 | 寸法安定性 | 耐摩耗性 | 耐衝撃性 | すべり特性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
1.27 | -40~110℃ | 絶縁 | ○ | ○ | ○ | △ |
※上記の数値・評価は代表的なグレードにおける目安であり、製品やグレード、使用環境によって異なります。材料選定の際は、メーカーの最新仕様をご確認ください。
PETの特徴とメリット
耐薬品性
PETは、酸やアルカリ、油類、アルコール類などに対して比較的優れた耐薬品性を持つ樹脂です。そのため、薬品や油が接触する環境で使用される機械部品や容器、カバー、食品・化粧品の容器などに利用されています。
耐寒性
低温環境下でも脆化しにくく、安定した強度を保つことができます。この特性により、冷凍食品用のトレーや容器など、低温での保管や流通が前提となる用途にも適しています。急激な温度変化にも比較的強いため、冷凍から加熱調理まで一貫して使用できる包装材として、幅広い食品分野で活用されています。
優れた透明性
高い透明性を持つ樹脂で、内部の状態を確認できる透明部品やカバー、容器などに利用されています。ガラスと比較して軽量で、割れにくいこともメリットです。また、表面の光沢性にも優れているため、外観が重視される製品にも適しています。
燃焼時に有毒ガスを発生しにくい
塩素やフッ素などのハロゲンを含まないため、燃焼時に塩化水素やフッ化水素などの腐食性・有害性の高いガスを発生しにくい材料です。
PET選定上の注意点
高温・高湿度の環境で加水分解を起こす
高温・高湿度の環境で水分の影響を受けると加水分解を起こすことがあります。加水分解によってPETの分子鎖が切断されると、引張強度や衝撃強度などの機械的特性が低下し、材料が脆くなる場合があります。使用温度や湿度を考慮してグレードを選定する必要があります。
一部の薬品に弱い
比較的優れた耐薬品性を持ちますが、強酸や強アルカリなどの一部の薬品には弱い点に注意が必要です。薬品の種類や濃度、温度、接触時間によっては、表面の劣化や強度低下、加水分解などが生じる場合があります。また、アルカリ性の薬品では加水分解が促進されることもあります。
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