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PVCの切削加工 | 安価で汎用性の優れた非結晶性樹脂の精密切削加工

PVCの切削加工 | 安価で汎用性の優れた非結晶性樹脂の精密切削加工

最終更新日:2026/9/15

本記事の要点

  1. PVCは、優れた耐薬品性・難燃性・電気絶縁性を持ちながら比較的安価であり、機械部品から配管、電気設備まで幅広い用途で使用される汎用樹脂である。

  2. 耐熱性や低温特性、有機溶剤への耐性には注意が必要であり、使用環境に応じたグレード選定が重要である。

  3. PVCには通常グレードのほか、制電・帯電防止、導電性、透明、耐衝撃、耐熱などのグレードがあり、必要な性能や顧客の環境基準を確認して選定する必要がある。


PVC(ポリ塩化ビニル)とは

PVC(ポリ塩化ビニル)は、耐薬品性と耐候性に優れた汎用プラスチックです。低コストで使いやすい樹脂材料であり、機械部品の他に水道管などの生活インフラにも使用されています。酸とアルカリに対して、高い耐薬品性を発揮し、汚水中の酸・アルカリ、硫化水素による劣化に強い耐性があります。

また、PVCは、塩素原子を多く含んだ化合物です。燃焼時に塩化水素ガス(熱分解ガス)が発生することで燃焼の連鎖を止めるため、燃えにくい性質(着火温度455℃)を持ちます。

PVCの基本物性・特性

比重

耐熱温度

電気特性

寸法安定性

耐摩耗性

耐衝撃性

すべり特性

1.35~1.45

-40~80℃

絶縁

※上記の数値・評価は代表的なグレードにおける目安であり、製品やグレード、使用環境によって異なります。材料選定の際は、メーカーの最新仕様をご確認ください。

PVCの特徴とメリット

PVCは耐薬品性や難燃性、電気絶縁性などに優れ、コストとのバランスにも優れた汎用樹脂です。ここでは、PVCを材料として選定する際に押さえておきたい主なメリットを紹介します。

優れた耐薬品性

PVCは酸やアルカリなどの薬品に対して優れた耐性を持っています。薬液の種類や濃度、温度によっては劣化する場合がありますが、化学装置や薬液配管、タンクなど、薬品に接触する部品の材料として使用されています。

難燃性に優れる

塩素を含むため、一般的な汎用樹脂と比較して燃えにくく、自己消火性を持つものも多くあります。電線被覆や電気設備の部品など、難燃性が求められる用途に適しています。

電気絶縁性が高い

電気を通しにくく、優れた電気絶縁性を持っています。電気・電子部品の絶縁材や端子周辺の部品、電線・ケーブルの被覆などに使用されています。電気的な絶縁性能が必要な部品の材料として選択しやすい樹脂です。

比較的安価

PVCはPEやPPなどと並ぶ代表的な汎用樹脂であり、エンジニアリングプラスチックと比較して材料コストを抑えやすい樹脂です。耐薬品性や難燃性などの特性を備えながら、コストとのバランスを取りやすい点がメリットです。

耐候性に優れる

PVCは比較的耐候性に優れており、屋外環境で使用される配管や建材などにも採用されています。ただし、長期間の紫外線や熱への暴露によって変色や劣化が生じる可能性があります。屋外用途では使用環境やグレードを考慮する必要があります。

吸水率が低い

水を吸収しにくく、吸水による寸法変化や物性変化が比較的小さい樹脂です。吸水率は樹脂材質の中でも低い部類に入ります。水や湿気にさらされる環境でも使用しやすく、配管や水処理設備などにも用いられています。完全に吸水の影響を受けないわけではありません。

PVC材質選定上の注意点

PVCは耐熱性や低温特性など、使用環境によって注意が必要な点もあります。ここでは、設計時に確認しておきたいPVCの主な注意点を紹介します。

耐熱性が低い

耐熱性が比較的低く、高温環境では軟化や強度低下が起こりやすい樹脂です。長時間の高温使用には適していないため、使用温度を確認したうえで材料を選定する必要があります。高温環境では、PEEKやPPSなど、より耐熱性に優れた樹脂が適しています。

低温で脆くなりやすい

温度が低下すると柔軟性が失われ、衝撃に対して脆くなりやすい特徴があります。特に低温環境で衝撃や振動が加わる部品では、割れや破損につながる可能性があります。低温で使用する場合は、使用温度と荷重条件を考慮した材料選定が重要です。

有機溶剤に弱い場合がある

酸やアルカリなどに優れた耐薬品性を持つ一方、薬品に対して万能ではありません。特定の有機溶剤では、膨潤や軟化、劣化が生じる場合があります。薬液に接触する部品では、単に「PVCだから耐薬品性が高い」と判断せず、薬品の種類・濃度・温度などを確認する必要があります。

環境規制・材料選定基準に注意

PVCは、企業や業界によって環境方針やグリーン調達基準などから、使用を制限・禁止される場合があります。特に電気・電子機器などでは、PVCやハロゲンを含む材料を制限するケースがあります。材料選定時は、法規制だけでなく、納入先の環境基準や禁止物質リストも確認する必要があります。

PVCの種類

PVCは、基本グレードの他に各種性能を強化したグレードがあります。

グレード

主な特徴

通常PVC

高い電気絶縁性を持つ

制電・帯電防止PVC

静電気の発生・蓄積を抑える

導電性PVC

電気を積極的に逃がせる

透明PVC

透明性を重視

耐衝撃PVC

衝撃強度を高めたタイプ

耐熱PVC

通常のPVCより耐熱性を高めたタイプ

取扱規格表

板材

グレー

透明

厚み(mm)

幅×長さ(mm)

厚み(mm)

幅×長さ(mm)

1

1,000×2,000

1

1,000×2,000

1.5

1,000×2,000

1.5

1,000×2,000

2

1,000×2,000
1,212×2,424

2

1,000×2,000

3

1,000×2,000
1,212×2,424

3

1,000×2,000
1,212×2,424

4

1,000×2,000
1,212×2,424

4

1,000×2,000
1,212×2,424

5

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

5

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

6

1,000×2,000
1,212×2,424

6

1,000×2,000
1,212×2,424

8

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

8

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

10

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

10

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

12

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

12

1,500×2,000

15

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

15

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000

18

1,000×2,000

20

1,500×2,000

20

1,000×2,000
1,212×2,424
1,500×2,000


PVC(ポリ塩化ビニル)の精密切削加工はユモパーツへお任せください

湯本電機ではPVCの切削加工による特注部品の製作を1個から承ります。見積もり回答は最短2時間以内でご対応いたします。PTFEPETなど、200材質以上の加工実績があります。比較のためのお見積り、材質選定のご相談もお気軽にお問い合わせください。

YUMO PARTS(ユモパーツ)のPVC切削加工事例

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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