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SUS303とSUS304の違いとは?特徴比較と材質選定のポイント

SUS303とSUS304の違いとは?特徴比較と材質選定のポイント

最終更新日:2026/8/31

 本記事の要点

  1. SUS303はリンと硫黄の添加により被削性を向上させたステンレス鋼であり、複雑な形状や精密な切削加工においてコスト低減に寄与する。

  2. SUS304は耐食性・溶接性・機械的性質のバランスに優れる標準的な汎用鋼だが、強い加工硬化を起こしやすく切削性はSUS303に劣る。

  3. 溶接が必要な製品や、屋外・水回りなどの腐食しやすい環境で使用する部品にはSUS304、加工コスト削減や量産性、摺動部の耐焼付性を重視する場合はSUS303が適している。


SUS303とSUS304の基礎知識

オーステナイト系ステンレスは、機械部品の設計・開発において最も頻繁に選定される材料の一つです。その中でも代表格はSUS304で、SUS304をベースに快削性を向上させた材料がSUS303です。この2つの鋼種は加工性や溶接性、耐食性の面で特徴に差があります。

化学成分の比較

SUS303とSUS304の最大の違いは含まれる化学成分にあります。SUS303は、SUS304をベースにリンと硫黄を多く添加した鋼種です。

化学成分(%)

材質

炭素(C)

ケイ素(Si)

マンガン(Mn)

リン(P)

硫黄(S)

ニッケル(Ni)

クロム(Cr)

SUS304

0.08以下

1.00以下

2.00以下

0.045以下

0.030以下

8.00~10.50

18.00~20.00

SUS303

0.15以下

1.00以下

2.00以下

0.20以下

0.15以上

8.00~10.00

17.00~19.00

※記載している化学成分の各数値は、一般的な一例(代表値)を示すものであり、保証値ではありません。実際の数値は条件により変動します。実設計に際しては、必ず材料メーカーの発行するミルシートやJIS規格値をご参照ください。

SUS304とSUS303の違いと注意点

製品の品質向上とコスト削減を両立させるために重要なSUS304とSUS303の特性の違いと、設計・加工時に押さえておきたい注意点について解説します。

切削加工性

SUS304は粘り気が強く、加工の応力によって組織が硬くなる加工硬化を起こしやすい難削材です。旋盤などで加工すると切りくずが一本の帯のように長く繋がりやすく、刃具への巻き付きや寿命低下の原因になります。SUS303はリンと硫黄を含有しているため粘り気が少なく、切粉が粉状に細かく分断されます。SUS304に比べ切削性に優れており、複雑な形状の部品や、量産において加工時間を短縮しコストを抑えたい場合はSUS303が適しています。

溶接性

SUS304は硫黄などの添加が少ないため溶接後の割れが起こりにくく、溶接性に優れています。SUS303は添加されたリンや硫黄が原因で、溶接時に高温割れが生じやすいため溶接を必要とする製品には不向きです。溶接加工を伴うアセンブリ部品には、SUS304または他の溶接に適したステンレス鋼を選定する必要があります。

耐食性

SUS304は優れた耐食性を発揮し屋外や湿度の多い環境、一部を除く薬品に触れる場所で幅広く使用することができます。SUS303は、添加されているリンや硫黄が空気中の酸素と反応し、孔食や粒界腐食が発生しやすくなります。水回りや屋外環境で使用する部品には、SUS304を選定するようにしましょう。

耐焼付性

ステンレス鋼特有の現象で、金属同士が強く擦れ合うと表面が密着して動かなくなる焼き付きがあります。特にSUS304は粘りが強いため、可動部やねじ締め部で焼き付きを起こしやすい性質があります。SUS303はリンや硫黄が潤滑剤のような働きをするため、焼き付きを起こしにくいというメリットがあります。摺動部にはSUS303を採用するか、SUS304を使用する場合は、表面へのコーティング処理や異種金属との組み合わせを設計段階で検討することをおすすめします。


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YUMO PARTS(ユモパーツ)では機械部品加工の知見を活かし、お客様の設計要件や想定される使用環境から、最適な材質選定から高精度な切削加工までトータルでサポートいたします。また、PEEKやPOM、MCナイロンなどのエンジニアリングプラスチックまで、200種類以上の材質に対応した加工実績もございます。

「SUS304から加工コストを下げるためにSUS303へ変更できないか?」「溶接があるけれど最適な材料はなにか?」など、材料選定の段階からのご相談も大歓迎です。ぜひお気軽にお見積り・お問い合わせください。

SUS303とSUS304の違いとは?特徴比較と材質選定のポイント

事業内容

執筆者:湯本電機株式会社

金属・樹脂の切削加工と3Dプリントを軸に、試作・開発段階の部品加工に特化したエンジニアリングパートナー。年間76,738枚を超える図面見積実績に基づき、樹脂から難削金属まで286種類以上の材質に対応。単なる受託加工に留まらず、蓄積された膨大な加工データを背景とした「コストダウン提案」や「加工法最適化」に強みを持つ。

最短2時間の高速見積もり回答体制を敷き、大手メーカーの設計・開発部門から、学生フォーミュラ・ロボコン等の次世代エンジニアまで、難易度の高いものづくりを技術面からバックアップしている。

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