UHMW-PEへ材質変更で搬送レールガイドのコスト最適化を実現
最終更新日:2026/8/5
食品製造ライン、特に水産加工工場の搬送レールガイドにおいて、搬送物をスムーズに流すための低摩擦な材質選定は極めて重要です。今回は、当初PTFEで設計・ご要望いただいていた部品に対して、UHMW-PEを代替提案し、コストダウンと機能性(視認性)向上を実現した事例をご紹介します。
PTFEにおけるコスト課題
PTFEは、極めて低い摩擦係数と優れた耐熱性・耐薬品性を持ち、食品機械でも多用される高性能なエンジニアリングプラスチックです。しかし、材料単価が高く、切削加工時の加工性も必ずしも良好とは言えません。そのため、搬送レールのガイドのような比較的大型の部品や、数量が多く必要な消耗部品にPTFEを適用すると、部品コストが膨大になってしまうという課題がありました。
代替案:UHMW-PEの選定理由
お客さまの「滑りやすさは維持しつつ、予算内に収めたい」という課題に対し、YUMO PARTS(ユモパーツ)では要求仕様を満たす代替材質としてUHMW-PEをご提案しました。
優れた滑り特性と耐摩耗性の両立
UHMW-PEは、フッ素樹脂に次ぐ低い摩擦係数を持っています。さらに、耐摩耗性においてはプラスチックの中でも最高クラスを誇り、PTFEよりも摩耗しにくい特徴があります。これにより、搬送物が常に接触・摺動するレールガイド部品として、十分な滑り性を確保しつつ長寿命化が期待できます。
青色グレードによる視認性向上(異物混入対策)
食品機械特有のシビアな課題として、万が一樹脂部品が欠損した際の異物混入リスクが挙げられます。今回提案したUHMW-PEの青色グレードは食品衛生法に適合している上、自然界の食品には存在しにくい青色をしています。これにより、画像検査機や目視による発見が容易になり、品質管理上の安全性が大幅に向上するという点でお客さまから高い評価をいただきました。
PTFEとUHMW-PEの特性比較表
材質変更を検討する上で、設計者が把握しておくべき両者の物性やコストの比較をまとめました。
比較項目 | PTFE | UHMW-PE | 選定・評価のポイント |
動摩擦係数 | 約0.04〜0.10 | 約0.10〜0.20 | PTFEが優位ですが、UHMW-PEも実用上十分な滑り性(自己潤滑性)を持ちます。 |
耐摩耗性 | △(比較的柔らかく摩耗しやすい) | ◎(プラスチック最高クラス) | 摺動部品としての寿命は、摩耗に強いUHMW-PEに軍配が上がります。 |
連続使用温度 | 約260℃ | 約80〜90℃ | UHMW-PEは高温環境や熱湯による洗浄工程には適しません。 |
材料コスト | 非常に高い | 安価 | 材料費が数分の一に抑えられるケースもあり、大幅なコストダウンが可能です。 |
※上記の数値および評価は一般的な一例であり、メーカーやグレード、試験条件等によって変動します。保証値ではありませんので、詳細な設計時には必ず材料メーカーの最新の物性表をご確認ください。
食品機械の部品加工や材質変更のご相談はユモパーツへ
今回ご紹介した事例のように、用途に応じてオーバースペックな材質を見直し、最適な材料(UHMW-PEなど)へ代替することで、コストダウンと機能性向上を両立できるケースが多く存在します。
YUMO PARTS(ユモパーツ)では、年間数万件に及ぶ図面見積もりの実績と豊富な材料知識を活かし、お客さまの抱える課題(コスト、納期、歩留まりなど)に寄り添ったVE提案を積極的に行っています。具体的な図面が完成する前の段階や、「現在の材質でコストが合わない」といったお悩みからのご相談も歓迎です。
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