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ベークライトと他のプラスチック材質はどう違う?

ベークライトと他のプラスチック材質はどう違う?

2025/12/22

ベークライトの切削加工は、他のプラスチック素材と大きく異なる点があります。それは加工時に小さな切り粉が大量に出る点です。この大量の切り粉は機械の故障や、滑りによる転倒事故の原因にもなります。

癖の強い素材の一つで加工難易度が高く、他の素材の加工は取り扱っていてもベークライトの加工は対応していない加工会社が多い理由にもなっています。この記事ではベークライトの加工において、注意しなければならない点、他の素材と異なる点を解説します。

加工時に発生する粉末状の切り粉

当社ではパネルソーという切断機械でベークライトの切断加工をします。これはMCナイロンやPOMなど他の樹脂と同様の切断方法ですが、ベークライトを切断すると粉末状の切り粉(切削または切断の際に出る粉や切りくず)が出ます。

そのため、ベークライトを切断加工する際は、集塵機で切り粉を吸引しながら進めていく必要があります。また、切削加工時にはより多くの切り粉が発生します。これが加工機械やパソコンなどの精密機器の内部に侵入すると故障の原因になります。

切り粉が機械内部に入らないようにカバーなどの対策をしたり、こまめに集塵機で処理するなどの加工とは別の工程が発生します。ベークライトを使った部品の量産時には、加工者は黄色い粉まみれになっています。その点でも加工者泣かせだったりします。

一般的なプラスチック素材との加工方法の違い

ベークライトは加工時に欠けが発生しやすいため、他の素材とは同じようには加工できません。そのため、使用する切削工具の使い分け以外にも様々な工夫が必要になります。

例えば、加工機械でベークライトのワークを直接掴むと、加工の最後で刃物がワークを通り過ぎるタイミングでベークライトの積層を捲りあげてしまい、それが欠けや亀裂の原因になります。(欠けは布ベークライトよりも紙ベークライトの方が発生しやすい。)

そこで、他の素材で製作した当板でベークライトのワークを挟んだり、ワークの下に敷板を置いて積層の捲りあげを防ぎます。また、以下の動画のように荒加工と仕上げ加工で刃物を使い分け、刃物の送り速度を調整する方法も効果的です。

このように、ベークライト特有の特徴に対応して加工条件を調整することが求められます。当社は過去のベークライト加工実績に基づき、最適な加工条件で部品の製作を行っています。

切削工具の摩耗

ベークライトは優れた機械的強度を持ち、硬度が高い素材です。そのため使用する切削工具も摩耗しやすく、MCナイロンやPOMなどの他のプラスチック素材に比べて摩耗する速度が早くなります。

ベークライトを加工するために使用する切削工具は、ハイス鋼よりも数倍硬い超硬のものをします。それでも1000箇所程度の加工をした後は、摩耗が進み切削面の仕上がりにも影響が出てくるようになります。

切削工具が摩耗すると削れにくくなるため、より強い力を加えるようになります。それにより更に摩耗が進み、工具の変色も起こります。また、強い力を加えられた工具は、ワークとの摩擦で高温の熱を生み出し、焦げ付きや寸法変化を引き起こす原因になります。

機械加工では切削熱を逃がすために切削油を使うことがあります。ベークライトは吸水性が高い性質があるため切削油の使用が難しく、工具とワークの冷却ができません。

加工の数が多く、高い精度が求められる製品の場合は、工具の交換回数が増加します。厳しい精度が必要な箇所には摩耗した状態の刃物を使うことはできないので、加工箇所や摩耗具合に応じて上手く使い分けて、加工精度を維持しながら刃物のロスを防ぎます。

代表的なプラスチック素材内での切削工具が早い順は以下の通りです。

アクリル<ABS<POM<MCナイロン<PVC<ベークライト<エポキシガラス

ベークライトの加工が難しいのは、加工中に欠けが発生しやすく、加工により出る大量の粉末状の切り粉の処理が必要になるためです。切り粉は加工機械や周辺の機械の故障の原因となることもあるため、専用の設備を持たない切削加工会社では見送ることもあります。


YUMO PARTSでは、切削加工によるベークライト加工サービスを提供しています。機械・装置部品の試作と本製作を1個から承ります。短納期で高品質の部品調達は、当社にお任せください。